新型コロナウィールスの感染は波はあっても収まっていきそうにない。動物としての人間については人口の7割(?)が感染すれば収まる、というが、社会的動物となり、権利や義務や欲望と相談しつつの対策なのだから、難しい。それでも大都市の繁華街で普段よりも8割人出が少ない場所もあるのだから、多くの人が非常事態宣言に協力しているのだ。他方で人出が少ないから来てよかった、みたいなことを言う人たちがいる。テレビで写していたが、駐車場の閉鎖で細い田舎道に車がずらりと駐車していたり、登山禁止のチェーンを越えて山道に入る人もいる。外出自粛は「お願い」するしかないので、こうなる。罰則のない非常事態宣言なんて、日本くらいではないか。いざというときには個人の権利が制限されても命を守るためには仕方ないことだってある。いざ、ではないときにはしっかり個人の権利を守る。そういうめりはりが効かないのだ。
というわけで、私たちはひたすら引きこもっている。歯医者だけは仕方ない。放置しておくと、それこそ緊急事態になってコロナ対策をするゆとりもなく駆け込むことになるからだ。買い物はほとんどすべてwebで宅配を頼む。新鮮な魚は無理であるが、この際安全第一である。私のリクエストで川政から取り寄せた新鮮な筍の料理をパートナーが数種類作ってくれた。庭の小さな山椒の木の葉を添えた。
私は引きこもり大好きなので、庭や空の季節の移ろいを楽しんでいる。五月になったらさすがに気温も上がって、数種類の色のツツジが咲き誇り、コデマリが大きくなり、雑草と呼ばれる色とりどりの花も華やかだ。ハルシオンの群生も庭を明るくする。今年初めてみる、葉や茎はアメリカオニアザミに似て、花はタンポポに似ている植物が、あっという間に私の背丈を越えるほどに伸びた。ヨモギ、三つ葉、蕗などの草も元気で、楓をはじめ若葉が庭のまわりを囲んでいる。昼間は輝かしく、夕日に映える。ガラス戸を開けると花の甘い匂いや青臭い匂いがする。とりあえず我が家は平和である。