母の実家に古い本がたくさんあった。漱石など文学作品が並ぶ小さい図書室みたいな部屋があって、小学生のときからツルゲーネフの翻訳など読んだり、漱石は中学のときにほとんど読んだ。しかし納戸に雑多な本や雑誌が積まれてもいた。そのなかに「小太郎と小百合」という絵本(?)があった。白馬の夢を見て、朝枕元に白い百合が置いてあると、その人は死ぬ、という出だしであった。その後の話は全然覚えていなかった。元々怖がりな子供にとって、この冒頭はとても怖くて夜が恐ろしかった。その後長く忘れていたが、なぜか大学でフランス語を専攻した友人とこの物語の話になって、彼女によるとアナトール・フランスの影響を受けたとか元があるとかいうことだった。詳しいことは忘れた。その後また長く忘れていたが、数年前にまた思い出して検索してみたが、見つからなかった。そしてまた数日前に突然思い出して検索したら、今度は国会図書館デジタルコレクションに収納されていた。それは絵本ではなく99ページの本である。著者名も初めて知った。さっそく読んでいる。童話であっても文章が丁寧だ。旧仮名遣いでも瞬時に置き換えできるから、つまずくこともない。なんだかほっとした。
2022年6月17日金曜日
ビワの実
今年はビワが数か所に実った。一度試食したが酸っぱかったのでもう少し待とう、ということになった。パートナーが鳥よけに袋をかぶせてくれたのに、私が「太陽に当たらないと熟さないのでは」などと言ったので、袋を取っておいたところ、一番良い房をきれいに食べられた。一か所だけ残った房に紙をかぶせてもらって、今日3個食べることができた。酸味が強いが、みずみずしくておいしい。
今日は天気が良く気温が30度くらいになって、気持ちよい。今年初めてのクロアゲハがやってきて、大量に咲いている合歓の花から花へと長いこと滞在していた。黒くて大きくて迫力がある。
2022年6月15日水曜日
2022年6月14日火曜日
人間の眼
斜視と言われてからいろいろ検索してみた。情報は無数に(?)ある。私の場合、今頃なぜ突然?と思ったが、手術によって斜位(隠れ斜視ともいうらしい)が顕在化したのだろう、ということだった。詳しくは様々な斜視・斜位・弱視があるようで、多少とも左右の眼がずれていることは、普通ということだ。それは分かる気がする。人の顔を左と右別々に写真をとると、ほとんど別人に見える、ということを聞いたことがある。むしろそれが人の顔を作っているのだろう。ある程度までならば神経が緊張して是正するので、本人も気づかずに過ごす。しかしそのために目の疲れ、頭痛、肩こりなどが起きやすい、とある。また、距離を正しく図れないことや、他人の顔の識別がうまくいかないこともあるそうだ。
こういうことを知って、とても納得した。以前から目の疲れ、目の奥から始まる頭痛、肩こりに悩まされてきた。身体を動かして血行を良くすることによって何とか生きてきたようなものだ。(そのお蔭で健康が維持できているのかもしれない。一病息災ということか)強度の近視は遺伝的な眼球の形による、と祖父、父、私の三代を見てくださった眼科医が言われたが、眼鏡を作って視力検査をすれば1.2まで見えても、大学の大教室では黒板の文字が読めなかったりしたし、目が疲れて、もう勉強は無理か、と思ったこともある。(コンタクトレンズでかなり改良された)山歩きが好きだったが、上りは問題ないが、下りは距離が測れなくてどの程度足を下せば良いのかが分からず怖かったものだ。人の顔の認識は自信がない。知人でも状況によっては違って見えたり、知らない人に間違って挨拶したこともある。それらすべてを近視のせいだと思っていたが、斜位のせいだったのかもしれない。人間、理由が分かると、なんとなく安心するものだ。今は良く見えるし目が楽だ、という感触がある。
レンズはちょっと見には普通なのだが、ある角度から見ると、左用のレンズには円弧が数個見える。右に比べて少し厚い。それでも重くない。こんな風にプリズムが組み込まれているのだ、と感心する。科学・医学・技術の発達に感謝。
2022年6月11日土曜日
2022年6月10日金曜日
プリズム入り眼鏡
プリズム入りのレンズができて、コンピュータ仕様の新しい眼鏡をかけるようになって、3日目。乱視の調節もしてあって、とにかくきれいに見える。長いこと「なんとなく見える」状態に慣れていたので、これではかえって疲れるかも、と思ったが、そういうことではない。やはり正しい眼鏡は良く見えて、眼も楽だ。
で、話せば長いことながら・・・2月初めに左目の手術を受けた。「高難易度の手術だったが、予定通りできた」、そしてその後も「順調、順調」と言われた。実際にときにはあるらしい頭痛などもなく、目薬も一定期間の後には不要になった。片方ずつ検査すれば左右ともに矯正視力は1.0である。ところが両目では物が二重に見える。とくにコンピュータの距離では、1行の文字列が左目では左下にずれるので、次の行と重なって、何を見ているのか分からない。メールのフォルダ一覧がメール本体の部分に押し寄せるので、どこをクリックすべきか分からない。入力をした結果が読めない。印刷物は目の近くに持ってゆくと何とか読める。遠くはぼんやり見えれば良いので何とかなる。しかしコンピュータが使えなければ、ほとんどすることがない。検診のときにその旨伝えたが、最初は主治医も首を傾げていた。色々話したり質問に答えているうちに「斜視か」と言われて後日検査を受けたところ実際に斜視ということで、担当医も代わり、とりあえずプラスチック(と思う)のフィルムで出来ているプリズムを古い眼鏡にはりつけただけで、正常に物が見えるようになったのである。右は縦、左は横に筋の入った薄いフィルムでこれだけの効果があるのだ。私の知っているプリズムとはガラスのごっつい三角柱である。それをレンズに組み込む、と聞いて驚いたのだが。後日詳しい検査結果による処方箋を持って眼鏡屋さんに行き、無事新しい眼鏡を使えるようになった。月も1個になったし人の顔には目が2個だけになった(!)この眼鏡でないと、月は2個、目は4個になる。
2022年6月9日木曜日
ひなげし
去年ひなげしが一個咲いた。今年は次々出てくる。真っ直ぐな茎の上に朱色の花が一つ咲く。夕方には花は落ちて茎だけが立っている。互いに数十センチ離れたところに出る。どこから飛んできたのか、近所でも見ていないし。漢字では雛罌粟らしいが、とてもそうは読めない。罌なんていう漢字があるのだ。Wikiを見たら、「虞美人草とも呼ばれる」とあって驚いた。昔漱石の「虞美人草」を呼んだことがあるが、どんな花かは知らなかった。小説の内容もほとんど忘れていて、これもWikiであらすじを確かめた。
紫陽花が青く色づき始めた。他所より遅い。合歓の花が咲いた。今年はウグイスが5月終わりころから庭で鳴いている。以前のような必死の様子ではなく、落ち着いたきれいな声だ。
今朝パートナーが玄関の外に出たら、ちょうど鹿が山のほうに走って行ったそうだ。あっという間だから声をかけてもらっても間に合わなかった。「今まで見た鹿で一番美しかった」という。角が大きく、毛並みがきれいで青みがかった模様があったとか。近くの方がすぐ後に通りかかった。きっと歩いている横を鹿が走ったのだろう。見たかったなーー!!